発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072568
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80歳男。近医にて肺気腫・高血圧の治療中に非持続性心室頻拍(NSVT)を指摘されたが、精査は拒否していた。労作時呼吸困難、めまいが出現し、胸部X線で心胸郭比拡大、少量胸水貯留を認めた。心臓超音波では左室壁運動のびまん性低下、左室駆出率低下、左室拡張末期径の拡張を認めた。心電図ではV4~V6陰性T、VPC連発を認め、心電図モニターで心拍数150/minのNSVTが頻発していた。左室収縮機能低下、心不全症状のためVTを停止させる必要があると考え、lidocaine 50mg静注・点滴を開始し、さらにnifekalant 17mg静注を行ったところ、持続性VTとなった。VPCは左脚ブロック+下方軸パターンであり、右室流出路由来の特発性VTを疑い、verapamil 5mg静注を行った。その結果、VTは速やかに消失し、VPCは散発となった。しかし、VT停止2時間後より心不全が増悪して肺水腫となり、varapamil内服で洞調律維持しVPCも認めなかったが、徐々に徐脈となり永眠された。
©Nankodo Co., Ltd., 2009