発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006320902
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妊娠高血圧症候群は妊婦に高率(4~8%)に発症し,重症(全妊婦の1~2%)では,母体死亡,胎児・新生児死亡に密接に関与する.肥満,高齢,高血圧家系などが,本症のリスク因子である.本症は高血圧と蛋白尿が出現するタイプ(妊娠高血圧腎症)と,高血圧のみが出現するタイプ(妊娠高血圧)があるが,前者が多く,母児への影響も大きい.管理の基本は,安静と妊娠前BMI別の栄養指導である.重症では妊娠の終了が根本的な治療であるが,胎児が胎外生活できないほど未熟な場合は,母体の生命の危機を回避するために,降圧治療が行われる.胎児への影響の少ない薬剤から使用するのが原則であり,子宮胎盤循環を維持するために,急激な降圧は避けることが大切である
©Nankodo Co., Ltd., 2006