発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131523
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51歳女.社交ダンス大会で他の競技者と衝突して,左頸部,左肩を打撲し,頭痛も出現した.唾液が飲み込みにくく,声がかすれ,左上肢の挙上のしにくさを感じたがX線で異常は指摘されなかった.耳鼻科を受診し,喉頭鏡で左声帯,咽頭壁の動きが不良で,左肩が下垂していることを指摘された.身体所見は左頸部,左肩の圧痛以外異常を認めなかったが,脳神経系で左側麻痺,左カーテン徴候陽性,左側声帯麻痺,嚥下障害,嗄声,左胸鎖乳突筋・僧帽筋の軽度筋力低下を認めた.運動系では左肩圧痛のため,左三角筋筋力が軽度低下していたが,他に異常はなく,深部反射,感覚系,協調運動に異常はなかった.頸部X線,頭部CT,頭頸部MRI,Gaシンチで異常は認めず,症候学的には左側の舌咽・迷走・副神経障害を呈する経静脈孔症候群が主体で,左肩打撲による左三角筋筋力低下を伴ったと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006