発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002126263
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
74歳女.バセドウ病寛解中に左結節性甲状腺腫が増大した.臨床症状,画像検査,穿刺吸引細胞診の結果より甲状腺リンパ腫を疑い,病理組織にてdiffuse large B-cell lymphomaと診断した.病期判定のため全身CT,ガリウムシンチグラフィ,骨髄穿刺を施行したが,甲状腺以外にリンパ腫の浸潤は認められず,stage1Eと判定した.リンパ腫の治療としてCHOP療法と放射線療法を行ったところ,LDHは正常化し,経過中重篤な合併症は認めなかった.現在LDHの上昇は認められず,リンパ腫は寛解状態を維持している.リンパ腫の治療中,甲状腺機能には明らかな変化を認めなかったが,治療終了後より甲状腺機能低下を認めたため,1-T4を投与し,euthyroid状態を保持している.腫瘍の増大に伴って高値を示したTBIIも治療開始後より明らかな低下を示し正常化した
©Nankodo Co., Ltd., 2002