特集 基礎から学ぶ肺癌診断
序説
遠藤 正浩
1
1静岡県立静岡がんセンター画像診断科
pp.393-393
発行日 2020年3月25日
Published Date 2020/3/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001650
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『画像診断』2020年4月号の特集テーマとして,「基礎から学ぶ肺癌の画像診断」を企画させていただいた.肺癌診療は,分子標的薬から免疫チェック阻害薬の台頭で,日進月歩の勢いで大きく変化してきている.診療にとって重要な基本的事項は,肺結節の質的診断をはじめとする肺病変の診断を確実に行うことと,TNM分類に基づいて肺癌の病期を正確に診断することである.肺癌のTNM分類に関しては2017年1月に,『肺癌取扱い規約,第8版』が刊行され,それに基づいて診断が行われている.主な変更点は,T因子が細分化されたこと,微少浸潤性腺癌を新たにT1miとしたこと,腫瘍の最大径は浸潤性増殖を示す部分と考え,thin section CTによるすりガラス成分と充実成分の最大径の測定から,後者を浸潤性増殖部とし,充実性成分径としたことである.一方で,ほとんどの施設でマルチスライスCT/ボリュームデータで収集した撮影が行われ,最近では,より高分解能の高精細CTの登場により,ますます空間分解能の高い画像提供が可能となり,被ばく線量を軽減してもノイズの少ない画像再構成も可能となってきている.さらに,画像処理技術も進歩し,各種のワークステーションを用いて,多断面のみならず3D画像や臓器内のsegmen tationなども容易にできるようになり,肺癌の診断・治療にますます寄与できる画像提供がCTで可能となっている.
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