特集 高気圧酸素治療の再確認と創意工夫
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廣谷 暢子
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1亀田総合病院ME室
pp.156-156
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.15105/CE.0000000383
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高気圧酸素治療では,装置内の圧力を2.0~2.8 ATAまで加圧する.加減圧時の気圧変化により鼓膜の内外に気圧差が生じると,患者は耳痛を訴える.その際は,唾を飲み込んだり口を大きく開ける動作を行ってもらい,治療に支障がないようにするが,そもそも高気圧酸素治療は気圧変化を利用するので,一時的に中耳・内耳腔内不均衡が起こり,加圧時には鼓膜が内側に押された状態に,減圧時には鼓膜が外側に引っ張られた状態になり,耳閉感や圧迫感,耳鳴りが出て患者は耳痛を訴えることがある.また,耳抜きができない場合には,耳の中で出血したり,鼓膜が破れたり,あるいは内耳に影響して耳閉塞感や耳鳴りが続いたり,ときにはめまいや吐気が起こることもある.そのため,耳痛の予防策として,治療開始前に患者へ耳管内腔の圧調整をする「耳抜き動作」について十分説明することは非常に重要である.
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