- 文献概要
日本看護倫理学会誌通巻第2号をお届けします。当学会が設立して間もなく発行した創刊号は、第1回年次大会におけるシンポジウムの記事が中心でしたが、今号からはじめて一般論文を公募し、看護におけるさまざまな倫理を取り扱った研究論文5編、論説1編、レター2編の計8編を収載する運びとなりました。年次大会記事と併せ、看護倫理学の発展に向けた議論がこれらの論文を通じて活性化することを念じてやみません。また、学会誌をめぐるトピックとして、昨年、医学中央雑誌の収録誌に認められたことをみなさまにご報告申し上げます。看護分野において唯一倫理を専門的に扱う学術誌として、質量ともに一層の拡充を図って参る所存です。
編集委員会としては、当学会において最初の本格的な査読の運用にあたり、投稿者、査読者にとって明瞭、円滑なプロセスを心がけたつもりです。その過程で、いくつかの課題も浮き彫りになりましたので、次号ではその修正を反映させたものにしたいと考えております。次号からの投稿手引きの改訂もその一環です。一例を挙げれば、創刊号の編集後記で触れているように「原著」に異常に高い価値を置くわが国の現状を鑑み、原著という論文種をいったんは排除したわけですが、およそ原著でない研究論文があるだろうか、という命題に対して編集委員会で活発な議論を交した末、次号より募集する論文種を原著論文、短報、レター、その他に整理しました。朝令暮改的ではいけませんが修正すべき点は改めることやある種のタブーに向き合うことも倫理的な組織のありかたと思う次第です。
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