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2年ぶりに編集後記を執筆させていただく機会をいただきました.本号は原著1編,症例報告6編,手術手技2編,私の工夫1編と多岐にわたる内容となりました.正中弓状靱帯圧迫症候群50例の手術成績に関する原著論文をはじめとして,すべての報告が簡潔な主張とともに提示され,読者に有益な情報が数多く提示されていると感じました.特にここ数年われわれの生活を大きく変化させた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)下での緊急腹腔鏡手術を限られた人員の中どのように行うかに関する報告は,後世にもつながる振り返りにつながったのではないかと感じます.
また,2年前に私が担当した編集後記で本誌ではロボット支援手術の投稿がまだ少ない,というコメントをさせていただきましたが,私が憂慮する必要もなく,最近ではロボット支援手術関連の報告の投稿や本誌掲載がとても増えたと感じています.昨年末,第36回日本内視鏡外科学会総会(2023年12月7〜9日,横浜)の事務局をさせていただく機会も得ましたが,腹腔鏡手術関連の演題はもちろんのこと,ロボット支援手術の適応拡大が多くの領域で進み,学会を席巻していると感じました.da Vinci(インテュイティブサージカル社)のみならず,hinotoriサージカルロボットシステム(メディカロイド社),Hugo RASシステム(コヴィディエンジャパン社),Saroaサージカルシステム(リバーフィールド社)などといった新たな手術支援ロボットシステムを用いた手術が保険収載となり,いよいよロボット支援手術も機器選択から始める時代となりました.私自身も現在da Vinciとhinotoriを実際に使用させていただく機会を得ていますが,異なったプラットフォームならではの注意点やコツが存在することも事実です.ぜひ皆さまには,各種手術支援ロボットを安全・円滑に普及させるための取り組みや手術手技の工夫も本誌に紹介していただきたいと思います.
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