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編集後記
伴 大輔
pp.44
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426201029
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「エビデンス」という言葉をよく耳にする.昨今,新型コロナウイルス感染症の報道などで,アナウンサーや政治家の発言の中でも「エビデンスに基づいて」という言葉が普通に使われるようになっている.我々の業界ではEvidence-Based Medicine(EBM),政治行政でもEvidence-Based Policy Making(EBPM)といった具合に「エビデンス」は専門用語ではなく日常用語になったようである.
少し歴史を紐解くとEBMの提唱を行ったのはカナダのマクマスター大学で内科学系の研修医プログラムを担当していたガイヤット医師で,1990年代前半のことであったようだ.私がEBMと略される言葉に最初に出会ったのは1999年,研修医の頃で,「それってエビデンスありますか?」と先輩が大学のカンファレンスで使っているのを聞いたとき,自惚れにも似た気恥ずかしいニュアンスがあったことを思い出す.それに教授が「エビデンスなんかくそ食らえや!」と返していて痛快に思った.
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