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日本内視鏡外科学会雑誌の編集に携わってから早2年が経過しましたが,毎回他科の内視鏡手技や手術法・適応などを学ぶことができ,非常に貴重な経験をさせてもらっています.最近,症例報告は症例の蓄積も有り掲載のハードルが高くなっています.気の毒に思いますが,各自が経験した症例を考察してきちんと纏めて報告することは,医師としてのある意味義務だと思います.症例報告を書かないと原著は書けません.症例報告を書くことでより高度な原著を書く練習をしてください.
非常に稀な症例であれば掲載の可能性が高まりますが,これまで報告があるような症例は掲載されるためには考察に少し工夫を加える必要があります.症例をこれまでの報告とは違った側面から考察すること,読者に有意義な内容になるよう過去の同様な症例を詳細にまとめて考察することなどの方法があります.ただしどの症例も適切な診断・治療をしているかが問われます.たとえば悪性疾患であればどんなに腹腔鏡できれいに手術ができたとしてもoncologicalに問題があれば採用にはいたりません.あくまでも患者を適切に治療していることが最優先事項ですので間違いの無いようにお願いします.図や表も明快で簡潔なものが求められます.分かりづらいfigureでは査読の時にマイナスポイントになります.それと前号でも渡邊理事長が編集後記に書かれていますが,論理的かつ科学的な日本語の文章でないと採用にはいたりません.日頃から正しい日本語を意識して書く練習をすると同時に会員に読んでもらうことを念頭に文章を書き上げてください.独りよがりの文章では相手に内容が伝わりません.必ず自分以外の人,とくに指導医に校正してもらって投稿をするようにしてください.以上のステップを踏んでも採用にいたらないこともあります.別の雑誌を薦めることもありますし,どの雑誌にも採用にいたらないこともあるかもしれません.それでもこの過程を踏むことで必ず次のあらたな症例報告や原著を書く糧になります.せっかく患者の体にメスを入れさせてもらう機会をいただいたのですから,その経験を後生の道標になるように積極的に症例報告を書いて本誌に投稿してください.よろしくお願いします.
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