徹底分析シリーズ マスク換気から始める気道管理
巻頭言
上嶋 浩順
1
1昭和大学病院 麻酔科
pp.333
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201351
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- 文献概要
マスク換気は,その重要性が軽視されがちである。意識消失患者に遭遇した際にまず優先されるのは,気道確保を含めたマスク換気ではなく,胸骨圧迫である。それでは,マスク換気は必要ないのであろうか?
マスク換気は,気管挿管より低侵襲で,簡便な手技であり,最も重要な気道管理手技である。マスク換気が不適切であると換気が不十分になるだけでなく,胃に余計な空気が送り込まれるため,誤嚥や術後の悪心・嘔吐を誘発する可能性もある。したがって,全身に酸素を送り込むためのマスク換気を学び,極めることは,気道管理を極めることに等しいと言っても過言ではない。
では,どうすればマスク換気を極められるのか? まず,気道管理に必要な気道解剖学を学び,そのうえで適切な手技を学ぶ。そして,小児や妊婦など,マスク換気に難渋する特殊な症例に対応するコツを学ぶ必要がある。
麻酔科初期研修では,ビデオ喉頭鏡を用いた気管挿管に目が行きがちだったのではなかろうか。後期研修を始めるにあたり,本徹底分析で,マスク換気を自分の物にしてほしい。
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