徹底分析シリーズ 病的肥満の治療と麻酔
巻頭言
笠間 和典
1
1四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター 減量外科
pp.93
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101127
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- 文献概要
欧米の人々は,日本には肥満の患者はいないと思っているようだ。さすがに最近では少なくなったが,「日本で肥満外科手術の適応になる人なんかいるのか?」と数年前まではよく聞かれた。しかし,通勤の電車を見渡せば,1両に数人は手術適応と思われる人たちがいるし,子供の運動会に行けば明らかに小児の肥満も増えている。
通常の手術でも肥満患者は増えており,麻酔科医として,高度肥満患者への対応は日本でも避けて通れない時代になってきている。病的肥満患者だって,当然,アッペになったり,癌になったりする。あなたの病院で肥満外科治療をしていなくても,いつ,あなたのところに病的肥満症例が緊急手術で運び込まれるかわからない。悪夢を見なくてもすむように,シミュレーションはきちんとしておきたい。
本徹底分析では,病的肥満の動向から病態生理,内科的治療と外科的治療,最先端のトピックスであるmetabolic surgery, そして病的肥満患者に対応するために麻酔科医として知っておくべく知識と心得に焦点をあてた。
“Plan for the worst, Hope for the best”が大切である。
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