症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 2
巻頭言
上村 裕一
1
1鹿児島大学医学部 麻酔・蘇生学講座
pp.869
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101018
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- 文献概要
手術を受ける患者の手術と麻酔への不安は大きく,麻酔科医の術前説明は非常に重要である。前回の麻酔で問題があった患者は,その不安はさらに大きく,特に今回取り上げられている術中心停止や気道確保困難などの生命にかかわる合併症を経験した患者の多くは,死に対する恐怖感も抱いている。麻酔科医は,患者の不安や恐怖感を解消するために,慎重で綿密なインフォームドコンセントを行わなければならないが,そのためには前回の麻酔の情報収集をもとにした患者評価と,今回の麻酔計画が重要になってくる。
今回の症例検討では,執筆していただいた方々がご自分の経験をもとに,それぞれの症例の患者評価とインフォームドコンセントのポイントを解説されている。また,麻酔計画については,自分が麻酔するならばこの麻酔法で行う,と具体的に書かれている。今回取り上げた症例は,多くの麻酔科医が遭遇するものであり,将来,このような症例を担当する際の貴重なシナリオとしていただきたい。
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