徹底分析シリーズ 星状神経節ブロックを見直す
巻頭言
井関 雅子
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.1161
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100513
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- 文献概要
わが国では,痛みが生体に及ぼす有害反応を,手術麻酔を通じて身をもって体験してきた麻酔科医が,疼痛緩和治療の重要性をいち早く認識し,ペインクリニックの治療を開始した。神経ブロックを中心とした治療が施行されてきたが,そのなかでも星状神経節ブロックstellate ganglion block(SGB)は,広く普及した神経ブロックである。
歴史があるがゆえに,各疾患に対する治療効果についてのEBMは意外と少ないものの,SGBによって大きな恩恵を得た患者が多数存在していることは事実である。頸部・縦隔への内出血もできるだけ発生を防ぐための工夫が種々考えられ,最近では予期せぬ偶発症と認識されてきている。
そこで今回は,現在どのような疾患にSGBが行われているのか,今後どのような疾患に積極的に治療として施行していけばよいのか,また,より確実で安全にSGBを施行するためには,われわれは何をなすべきなのか。痛みに苦しむ患者のためにもSGBのかかえる問題を見つめ直しながら,SGBの治療価値とブロック手技に関して検討する。
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