徹底分析シリーズ 超音波ガイド下神経ブロック:基礎とブロックの実際
巻頭言
佐倉 伸一
1
1島根大学医学部附属病院 手術部
pp.1065
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100494
- 販売していません
- 文献概要
末梢神経ブロックは,優れた鎮痛効果や少ない副作用,術後の早期回復などの利点があることから,以前より注目されていた医療技術である。しかし,全身麻酔が麻酔科医なら誰でも行える一般的な技術であるのに対し,末梢神経ブロックは一部の麻酔科医だけが高い成功率で行える特殊技術と考えられ,これまで広く普及しているとはいえなかった。
ところが,超音波装置の導入が心臓手術やハイリスク患者手術の全身麻酔管理を容易にしたように,今,神経ブロックの分野にも同じような現象が起こり始めている。超音波画像上で目標とする神経,ブロック針の方向や薬液注入がリアルタイムに観察できるようになったことで,ブロックの確実性と安全性が飛躍的に改善することがわかってきたからだ。したがって,超音波装置導入によって末梢神経ブロックが,麻酔科医にとって全身麻酔法と同様に誰でも行える基本的なテクニックとなる可能性がある。
本徹底分析では,超音波ガイド下神経ブロックの初心者が最低限知っておくべき超音波の基礎知識やプローブとブロック針の操作法についてまとめ,代表的ないくつかのブロックについて解説するとともに術後鎮痛への応用にも少し触れる。
Copyright © 2007, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.