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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
膜関連試薬
ナトリウムチャネル関連試薬
ブレベトキシン
Brevetoxin
坂東 英雄
1
Hideo Bando
1
1北海道薬科大学薬化学研究室
pp.430-431
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905340
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■特性および構造
ブレベトキシンはフロリダ沖の赤潮に関係している渦鞭毛藻,GYmondinium breve(Ptychodiscus brevis)から単離された脂溶性のポリエーテル型のトキシンである。そのトキシンは構造上,2種類の基本骨格を持つ化合物に分類され(図1,a,b),現在までに7種類の化合物の構造が決定されている1,2)。
ラットの心臓標本で,10−8M濃度で陽性変力的な不整脈を引き起こし,その効果はテトロドトキシンによって阻害される。またNa,K-ATPaseの活性を阻害しない。この神経毒はNa+チャネルの第5薬物レセプター部に結合して膜の脱分極を引き起こし,テトロドトキシンによってその分極は阻害される3)。ラット脳のシナプトソームにおいて,バトラコトキシンやアコニチンなどのNa+チャネルの第2薬物レセプター部への結合力を増大させる。またα-サソリ毒には影響しないが,β-サソリ毒の第4レセプター部への結合力も増大させる4,5)。最強毒のBrevetoxin-Aについては標識された化合物がないので今後の研究が待たれる。
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