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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
活性制御試薬
プロテインキナーゼ阻害剤
スタウロスポリン
Staurosporine
玉沖 達也
1
Tatsuya Tamaoki
1
1協和発酵工業(株)東京研究所
pp.366
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905311
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■特性および構造
スタウロスポリンは最初,Streptomyces staurosporeusが生産する微生物アルカロイドとして単離され1),その後,各種の放線菌によって産生されることが報告されている。1986年にCキナーゼの非常に強い(現状では最強)阻害剤であることが明らかにされ2),注目されるようになった。さらにスタウロスポリンはCキナーゼ以外にAキナーゼや発癌遺伝子srcの産物であるp60v-srcチロシンキナーゼも同程度に強く阻害することが明らかになった3)(表1)。表2に示すように強い抗細胞活性をはじめ,多彩な生物活性が報告されており興味深い。
構造は図1に示すとおりで,indolo〔2,3-a〕carbazole骨格を有し,実験式C28H26N4O3,分子量466である。水にはほとんど不溶性で,メタノール,クロロホルムにはわずかに溶け,DMSOによく溶ける。有機溶媒中で冷暗所に保存すれば安定である。
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