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話題
アジア太平洋松果体会議―メラトニン発見から40年
Asia Pacific Pineal Meeting-40 years after discovery of melatonin
森田 之大
1
Yukitomo Morita
1
1浜松医科大学第一生理学教室
pp.602-603
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901278
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最近,松果体ホルモンのメラトニン(以下Mt)がよく話題になっている。社会的関心が高くなったのは,時差ぼけや高齢者の睡眠障害に有効な例が報告され,免疫力の強化,抗酸化作用,老化予防の可能性などが喧伝されたからである。しかし限られた実験データからの推論が多く,基礎的な研究はまだ十分とはいえない。松果体やメラトニンに対する関心は広い研究分野に及び,ヨーロッパ,アメリカ,カナダなどでは定期的に松果体関連の学会が開かれている。
2年前,香港でメラトニンの国際シンポジウムが開かれた折,アジア太平洋松果体学会を設立するよう多くの参加者から要望が出た。わが国での松果体研究の実績,研究者や研究グループの数などが考慮され,第一回の会議を浜松で開催するよう強く要請されていた。昨年2月,米国で松果体細胞についてのゴードン・カンファレンスが開かれたが,そこでの討論を足がかりに計画がねられ,主として基礎的な,そして現在の大げさで非科学的なマスコミ報道の風潮に批判的な意見をもつ研究者が集まった。日本,アメリカ,カナダ,オーストラリア,中国,香港,台湾,インド,ドイツ,フランス,英国,オーストリア,イタリア,チェコから,外国人41名を含めて計103名が参加し,文部省国際シンポジウムとして1997年3月28~31日,浜松で開催された。
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