特集 生物進化の分子マップ
10.細胞骨格
細胞骨格の組織化に関与するkelchホモログ遺伝子の系統進化
吉田 健一
1
Kenichi Yoshida
1
1明治大学農学部生命科学科分子発生学研究室
pp.400-401
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100282
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kelchとは
kelchは44-56アミノ酸残基からなるモチーフで,通常4-7回の繰り返し(リピート)としてβ-プロペラ構造をとり,おもにアクチンや中間径フィラメントなどとの相互作用により細胞の形態や運動を制御する1-4)。最初のkelchモチーフはD. melanogasterのkelch ORF1で発見された。その機能は,卵形成過程で15個の支持細胞から卵母細胞へと母性因子を輸送するための橋(ring canal)に存在するアクチンの安定化因子であった5)。その後のゲノム解読とバイオインフォマティクスの進展により,ヒトでは70以上,C. elegansやD. melanogasterで約18,酵母でも5-8個のkelchホモログ遺伝子が確認されている。
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