特集 褥瘡ケアUp to Date・2―在宅に焦点を合わせて
褥瘡のクリティカルパスは有効か
田中 マキ子
1
1山口県立大学看護学部
pp.709-719
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901544
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はじめに
筆者は前号特集の「褥瘡ケアのチームアプローチ」(第7巻8号,PP. 639-643)において,2002年診療報酬改定で,褥瘡対策が不十分な医療機関は入院基本料が減算されることになった点について解説した。今回の改定では,「日常生活の自立度が低い入院患者について,褥瘡対策に関する診療計画を作成し,対策を講じなければならない」と述べられており,その要件を満たさない医療機関では入院基本料が減額されるようになったのである。本稿では,この減算要件に該当する診療計画様式の1つであるクリティカルパス(以下,パスとする)法について述べる。パス法は,効率よく,質の高い医療を提供する方法として,ここ数年来わが国の医療機関で急速に普及してきた方法である。このパス法が,褥瘡においても有効か否かを検討することを本稿の主目的としつつ,褥瘡治療・ケアにかかわるケア基準作成のあり方等についても言及してみたい。
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