特集 倫理的課題へのアプローチ—「倫理的」な看護はいかに実践できるか
—【解説】—看護実践の倫理とはなんだろう—アプローチしていくための基礎知識
鶴若 麻理
1
1聖路加国際大学 生命倫理学・看護倫理学分野
pp.234-244
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201653
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なぜ看護実践の倫理を考える必要があるのか
看護と倫理の関係性
本誌2021年1月号(26巻1号)においては、訪問看護の現場ではさまざまな倫理的課題が生じ、看護職や介護職は葛藤を抱きながら日々の実践に向き合い、その中で「倫理的感受性を高める」ことの重要性が強調されています。人と人とが関わり合う訪問看護の現場において、各人の「こうあるべき」という価値観が交錯し、さまざまな制約や制度の壁もある中で療養者にとっての最善をいかに目指すかは、皆さんが日々直面する課題なのだと思います。
看護実践において倫理を考えるのは重要であり、必要と言われます。しかし、そもそも看護と倫理はどのような関係性があるのかについて、皆さんは考えたことがありますか。まずはその点から掘り下げたいと思います。
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