研究を志す人のために
研究計画書作成にあたって—そのⅠ
樋口 康子
1
1日本赤十字社幹部看護婦研修所
pp.510-521
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200734
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計画書作成上の意義
研究経歴の長い人でさえ,ときどき次のような言葉を口にすることがある。「研究の計画書など,丁寧に作成している暇はない」「計画書を作るくらいだったら,いきなり本研究に入ったほうがよい」「これはほんの小さい研究なので,計画書など必要ないよ」「どうせ本研究で試行錯誤しながら進めていくのだから,計画書を作るのは無駄だよ」「やりはじめなければ,どんなことになるかわからない。とにかくはじめてみよう」このようにいいながら,計画書を作成せずに,本研究をはじめた人々が,研究の途中で行きつもどりつしているようすをいくつも目の前にした。
また,とても実行できない抽象的な大テーマをかかえて研究をはじめたために,どのような方法で追行したらよいのかわからず,右往左往する場合がよくある。そして,資料収集が終わった段階になってから,はじめて自分が欲しいと思っていたデータで集まらないことに気がついて,テーマを変えなければならない例もたくさんある。
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