書評
―『看護師専用 お悩み外来』―著者とともに悩み,迷い,そして楽になれる本
和田 恵美子
1
1大阪府立大学看護学部
pp.965
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101046
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私は,学生時代に弁論大会の壇上で,本書の著者から講評を受けたことがある。現役ナースでありながら,著者はすでに広く執筆活動をされており,学生の拙い思いにも真摯に耳を傾けてくれたことを覚えている。
Q&A形式で書かれたナースの『お悩み』は,そこにある問題の根幹を見つめ,丁寧に読み解かれる。「ほめようがない後輩をどうほめたらいいのか?」には,従来の「厳しくて当然」だった看護教育に触れ,「『指導』『教育』の名のもとに,力のある者が,弱い立場にある人をいたずらにおとしめたり,好みに合わない人を排斥したりする。こうした事態は,どこでも起こりうる」と答える。先の弁論大会で私が投げかけた訴え「なぜ学生は実習であんなに厳しくされるのか」の時と,著者は変わらない答えをくれた。
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