特集 保健活動のパラダイム・シフト
インターネットは公衆衛生を変えるか—情報科学への誘い
高原 亮治
1
1厚生省国立病院部経営指導課
pp.938-944
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901452
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世紀末からの展望
ヒエラルヒー組織は崩れる
世紀末とはよくいったもので,20世紀があと5年で終わろうとしている現在,少なくとも戦後50年が依拠した構造が音をたてて崩れてゆきつつある。今までのパラダイムでは,それなりに“認められるはず”だった事象が誤りとされてしまう評価の転換は,時代の転換そのものである。いまわれわれに必要なことは,21世紀のそして,新たなミレニアム(千年期)の,社会で何が求められるのかという展望を明らかにすることであり,現在生起している事象に対し,過去のパラダイムの延長線でわけ知り顔に評論することではないだろう。
さて,組織がサステイナビリティ(維持可能性)を有するためには,組織目的,ミッションが社会の要請に適合していることは当然として,社会の一般的状況への認識と,適合するための意志決定の適否に存在することはいうまでもないであろう。そして,地域保健・公衆衛生に限らず,現代の日本をはじめとする先進国を特徴づけるキーワードは,大競争時代と情報革命に要約されるといっていいだろう。
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