コンタクトレンズ(48)
罵言切言
長谷川 泉
pp.24
発行日 1964年3月10日
Published Date 1964/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203057
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過日K代議士の衆院当選祝があった.高校の同級生たちの集まりであるから心からの祝福の辞もあるかわりに,現代の政界の腐敗ぶりを罵倒するような切言もあって,その演説を聞いていると,いったいどちらが政治家であり代議士だかわからないような一幕もあった.
K代議士は元首相もいる激戦区を地盤として出馬し,親の地盤があっても,3度目の正直で当選したのだから,さすがに喜色は蔽い得なかったが,当日も奥さんをその席に残しておいて,大臣も出るというもう一つの会に顔を出すために間をちょっと中座する時間もあった.政治家というものは全く忙しいものだ.選挙の時ばかりでなく,よっぽどタフで身体をはってかけずりまわらなければつとまらないらしいから,あんな風では,ゆっくりものを考えたり,勉強したりするひまはないだろうと同情された.
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