くりにかるふぁーまころじー・2
ポスト・ホック論法
佐久間 昭
1
1東京医科歯科大学
pp.143
発行日 1981年2月1日
Published Date 1981/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922708
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明治のはじめころ,日本海軍では毎年1000人をこえる脚気患者の発生に悩んでいたという.高木兼寛が提唱して明治17(1884)年にパン食をはじめたところ,明治18年から20年にかけて患者は激減し41人,3人,そして0人になったといわれる.
海軍の様子を横目で眺めていた陸軍も,兵食の改良を考えはじめた.堀内利国は麦飯が脚気予防に効果があると考え,明治18年に麦飯を大阪の兵団に用いたところ,脚気患者は,うそのように姿を消しはじめた.同様な成績は,これに続いて行われた他の兵団での“実験”においても再現された.しかし,陸軍では正式に麦飯の採用に踏み切れなかった.
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