看護風土記
山形/佐賀
大場 幸子
1
1東北大山形県立中央病院
pp.9
発行日 1970年9月1日
Published Date 1970/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915000
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山形県の名にふさわしく四方を山に囲まれた当県は,四季の変化にめぐまれ,特に県花の紅花,蔵王の樹氷,夏祭りの花笠祭りは全国に名を高め,ズーズー弁の東北なまりでも知られた県である。
米の生産高も多く,それに比例したように,高血圧,癌などの成人病の多い県でもある。県には成人病センターが設置され,県立中央病院の放射線科にはリニヤック,ベータートロンなどの制癌装置があり成果をあげている。しかしそれが癌末期患者減少に結びついていないということは,一つには医療の恩恵が辺地の人びとにもゆきわたらぬためではないだろうか。県でも辺地医療に力を入れながら,なお無医地区が減少することなく,保健婦の手に大きな負担となっていることも,他県と変わらぬ現状であろう。
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