特集 看護されてみてナースに物申す
入院雜記,他
原 素行
1,2
1都立広尾病院
2都立第一高等看護学院
pp.76-87
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胃潰瘍ですつてネ。お医者サマでも病気になるんですか。ヘンネ」という婦人の見舞客もあつた。まさか本気で医者を不死身と考えているわけではなかろうが。多分冗談だろう。「医者の不養生ですネ」と端的にズバリと来るのは当らずとも遠からず。私の場合は,そのタイピカルな一例かもしれない。本当だ。
だが,どの見舞人も「この暑さのさ中の入院で,それに手術まで,大変なことですネ。楽ではありませんネ」と同情してくれる。時には「自分の病院に入院して,いろいろの盲点が見つかたでしよう」という質問もあつた。これは手きびしい。医学書院からの質問も亦この類である。病災につゞく人災であろう。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.