グラビヤ 看護用具を創る・2
尿器架
新藤 信子
1
1神奈川県立身体障害者更生指導所
pp.57-60
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911975
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尿器架
基準看護で看護婦対患者の数を,4:1に定められ,看護婦がすべての患者の身のまわりの世話をすることになっているが,その中で是が非でも欠くことができないものの一つに,男性の就床患者の排尿の世話がある。これは基準看護に従えば,患者の必要に応じ,そのつど尿器を持って行き,排尿後ただちに片づけるのがたてまえだが,日本の現状の基準看護のもとでは不可能に近い。したがって,ある病院では,患者の協力を得て病棟内で統一した時間に排尿させるとか,尿器をベットの下,あるいは側に台をおいてその上に置き,患者が必要な時にそれを使用し,時間を決めて交換するような手段がとられている。なかには患者の必要時持って行くよう努めているところもあるが,人手不足のため時には患者が5〜10分も待たねばならぬこともあるので,患者は常時尿器が自分の手の届く所にないと不安でたまらない。そこで,現在の日本の病院の実状に適した看護用品の一つとして,せめて男性の患者用に,尿器架の使用をおすすめする。
本品の特徴
①つねに患者がもっとも手のとどきやすいところに尿器がおいてあるので,精神的な安静が得られる。
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