教養講座 詩の話・3
韻文と現代詩
山田 岩三郎
pp.75-77
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911027
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前号では詩精神というものを説くにあたって,“散文”について,そのアツピールの目的や意図が,詩とは相違する点に触れた。ひきつづき,同じ言語芸術としての“韻文”としての歌や俳句について,詩との相違をのべるのが順序であろう。
しかしこうした話は,文学論や芸術論に傾いて,大方には退屈な話になつてしまう惧れもある。だが,歌や俳句と詩とのちがいということを心にとめておいて詩に接する時,詩のもつ肌理のこまかな面までが了得できて,詩を鑑賞する基盤としては,まるきり無駄な話ではないと思われる。すこし迂遠であるし,また或る読者にとつては,いささか稚醇な話になるかもしれないが,詩の話をさらにすすめる順序として,詩と韻文ということを書かしていただく。
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