医学の話題
磁気バンド,他
pp.48
発行日 1959年3月15日
Published Date 1959/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910815
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近頃たくさんの老人の人々が,腕や足首や首に磁気バンドをまいていられるのを見かげます。あれは一種の磁石であり,手首などを弱い磁陽の中においてその中を血液が常に通過していることになる。能書によると,これが高血圧を防いだり,治したりすると書かれている。確に磁石と生体とは相当な関係にあるらしく,電解工場や電気炉などのようなかなりつよい磁気の作用している処で働いている人は,健康体が多く,高血圧が少いという。また,ねずみに大量のレントゲン障害を起して,一方を磁場の中で,他方をその他の場所で飼うと磁場の中のものの方が発育がよいという事実がある。その作用機序は未だ解つていないが,血中のカルシウム,カリウム,ナトリウム等の塩分が磁気の影響をうけてイオン化し,これが何等かの生理的作用をもつという人もある。昔から電気と磁気とは密接な関係にあることが分つており,生体の電気現象または電気の生体に及ばす影響はよく調べられているのに,磁気の方は殆んど研究されていないのは不思議なことである。
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