時の動き
花いつぱい
K
pp.70-71
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909902
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つゆが明けると夏の花が咲きはじめます。朝顏や,夏の暑さにも負けないカンナ,ダリャ,ザクロ,ヒマワリなどが私たちの目を楽しませてくれます。このところ世間もおちついて,せまい自宅の庭にも,好みの花を植える人が多くなつたほか,病院や学校の庭や窓べには,所せましと花が咲いています。鳩山首相も吉田前首相もバラが好きで,毎年バラの展覧会には,かならず自作のバラを出品しています。むし暑い国会で野党側から,いじめられている鳩山さんも,たまの休みには,自宅の庭のバラを朝夕手入れしたり,新しいバラの花の苗を買いに出かけたり,そういうときの鳩山さんは,本当にたのしそうです。
さて今日は,日本中を花で埋めて,人の心をやわらげようという“日本中を花いつぱいに—の運動”について,お話しましよう。この“花いつぱいにの運動”は,去る27年4月8日の花まつりの日に,長野県松本市で,学校の先生と生徒の間で,郷土を花で美しくしようというささやかな願いから,“街を花いつぱいにする会”を作つたことから,始まりました。現在まで足かけ4年間に,この運動は北海道から九州まで拡がり,さらに全国各地の町や村に拡りつゝあります。簡単に全国各地の運動をみますと,まず運動の発祥地の長野県松本市では,この4年間に“街を花いつぱいにする会”は町内会やPTA,婦人会など400あまりの団体が参加して,松本市でも毎年助成金を出しています。
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