2頁の知識
斑状歯
大西 榮藏
1
1厚生省歯科衛生課
pp.34-35
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909578
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昔から火山地帯や,火崗岩,石灰岩,鉱泉,温泉の地帯に住む人々のうちには地域的又は家族的に歯の表面に白色の斑点,或は縞模様が現われ,それが着色して褐色又は黒褐色の斑点や縞模様になり,段々ひどくなると歯の表面の一部分がこわれていびつな歯になるものがある。こんな歯を斑状歯というのである。
それは1901年米国のEager氏がイタリーからの移民中に本病を発現した報告が最初だといわれているが,それ以前にもKühus氏がこの歯牙組織異常を報告している。しかし斑状歯または斑状琺瑯質の名称で系統的に,一種の地方病として報告したのは1916年米国のMckayBlackとの両氏である。我国では1928年富取氏,続いて正木氏等が岡山県,兵庫県等における斑状歯について報告し,以後多くの人々によつてその研究報告が行われている。
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