附録
ナースの愛唱歌集—子守唄篇
山本 金雄
1
1東京放送合唱團
発行日 1951年10月15日
Published Date 1951/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906951
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シユーベルトの子守唄
子守唄(Berceuse(ベルスーズ)佛Wiegenlied(ヴイゲンリード)獨Lullaby(ララバイ)英)というのは子供を寝かせる爲の歌であるが,藝術的なものも多く又器樂曲にもなつている。ここに掲げた12曲の中ではシユーマンの子守唄が器樂曲で,ここでは特に歌詞をつけて聲樂曲として載せました。さてシユーベルトの子守唄を歌う場合,先ず歌詞を三番迄何度も何度も繰返して,詩を朗読する積りで読んでいくと,そこに何ともしれない母の温情,愛情が読む人の頭に浮んでくるでしよう,今度はメロディだけをハンミングかアで全曲をなめらかにゆつくり何度も歌つて,詩の内容と一緒になつたとき始めて言葉をつけて歌うと,そこに母のやさしい温い感情がにじみ出た,歌う人特有の個性のある,美しい子守唄が生れてきます。音樂はむずかしい理論よりも,その人が心の中から湧き出てくる感情を音に出すのが一番大切な事と思いますので,この方法を他の予守唄にも實行して美しいやさしい愛情の溢れた子守唄を歌つて下さる事を希望して止みません。
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