特別記事
看護介入の手段としてのアロマテラピー
高谷 真由美
1
1順天堂医療短期大学
pp.147-152
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905527
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
アロマテラピー(芳香療法)とは,芳香を持つ植物資源から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を使用して,心・体・精神のバランスをとり,自然治癒力を高めて心身の不調を癒す自然療法である.その基本には人間を部分ではなく全体としてとらえる全体論的な考え方がある.ここ数年,雑誌やテレビなどで紹介される機会が多く,「香りでリラックスしたり,ストレス解消する方法」としての認知度は高い.また,その効果は医療の中でも注目されており,アロマテラピーの専門家や一部の医療従事者によって臨床に導入されている.
筆者が,アロマテラピーに出会ったのは,緩和ケアの教育に携わる中で,有効な看護介入の手段を求めている時であった.現在も臨床や教育の場で実際に活用し,さまざまな可能性を模索している段階である.ここでは,看護介入の手段としてのアロマテラピーを,具体的な方法と事例を中心に紹介し,現状の課題について述べる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.