特集 エイズの現在
一般病院におけるエイズ患者の治療とケア
島田 馨
1
1東京大学医科学研究所
pp.35-36
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904175
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HIV感染者の管理と治療
HIV感染者の経過は長いので,HIVのステージに応じて治療やケアも違ってくる.患者の便宜や医療機関の規模,能力を考えると,第一線の診療所で最初から最後まで治療に当たることはできないし,無症候性キャリアからエイズ患者が,数の余り多くない各地の基幹病院でなければ治療が受けられないような体制でも困ることになる.そこでHIV感染者に対する医療機関の役割分担が必要になる.一般的に言って無症候性キャリアなら一般の医院,診療所,クリニックで医療を受けられるようにするのが望ましいし,無症候性キャリアの管理なら,専門家でなくともそれほど難しいことではない.
表1にはHIV抗体陽性者の管理法を示した.表中に示したように,T4リンパ球数が200以上ならすぐにエイズになる危険は少ないので,一般の医療機関で定期的にチェックし,AZT投与による発症予防を行なうことも無理なくできる.
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