特集 人工呼吸器のアラームなんてこわくない!
人工呼吸器を必要とする患者さんの呼吸アセスメント―換気モードとアラームの意味,病態を結びつけよう
大利 英昭
1
1都立駒込病院
pp.313-323
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100056
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「呼吸を肩代わりする機械」
という誤解
そもそも人工呼吸器(レスピレータrespirator)という呼び名は,まるで私たちが生きていくのに不可欠な「呼吸」という営みを,人工的に機械が代行するようなイメージを抱かせますよね.このような誤解から「代わりに呼吸する.なんてすごい機械! そんなすごい機械扱えない.操作パネルも英語ばっかりだし」なんていう苦手意識が出てくるんです.人工呼吸器は,人間の代わりに呼吸してくれる機械ではありません.では,人工呼吸器は何をしているんでしょうか?
「決められた条件で,ガスを患者さんに吹き込む」.人工呼吸器がやっていることは,基本的にこれだけです.ですから,人工呼吸器が人工的に肩代わりしているのは,呼吸ではなく「換気」です.
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