特集 タッチケア(上)
ベビーのストレス徴候のみかた
泉 清徳
1
,
吉永 陽一郎
2
1聖マリア病院リハビリテーションセンター
2聖マリア病院母子総合医療センター新生児科・育児療養科
pp.115-118
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902582
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はじめに
最近では母子の愛着形成,育児支援が新生児医療,周産期医療といった急性期の現場でも注目され,取り上げられることが多くなってきた。その代表的なものとして,「カンガルーケア」や「タッチケア」等が挙げられるだろう。「カンガルーケア」や「タッチケア」を通して,わが子と触れ合う時間が持てるということは,早期より愛着形成を促す上で効果的であると思われる。
当院でもこの「タッチケア」に注目し,入院中の児に対して試みており,少しずつではあるがその成果もあがってきているのではないかと考える。しかし効果的なところばかりが注目され,どんな児でも触れれば効果があると考えられると危険である。特に低出生体重児や早産児,ハイリスク児などといった赤ちゃんには,十分な配慮が必要となる。なぜなら,これらの児は刺激に対する許容範囲が満期産児,成熟児に比べ極端に狭く,外界に対する適応能力も低い。つまり通常の刺激でさえ,過剰刺激となりやすく,さらに刺激を加えることはかえってマイナスとなりかねない。
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