連載 りれー随筆・112
1993年暮れに思うこと
森 明子
1
1聖路加看護大学
pp.1004-1005
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900933
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
まだ夏の余韻を味わっていたいような思いを残したまま,今年の秋はひと息に訪れた。経済不況は改善の兆しもなく,企業の中にはいわゆる「リストラ」をはかろうとしているところもある。多くの被雇用者とその家族にとって,秋の風は一層冷たく寂しく感じられたことだろう。
私の身内に一般大学の教員をしている者がいて,先ごろ,卒業を真近に控えた学生の就職難の厳しい現実を憂えていた。私は看護系大学の教員であるが,幸い学生の就職状況は良好である。看護学生と一般学生の就職事情の違いを改めて認識した。これから社会人として出発する学生にとっては,不条理なことに思われるであろうが,たくましく乗り越えていって欲しいと思った。また,この不況下に,心やからだを病む人が増えることのないよう願いたい。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.