Medical Scope
妊娠週数とNST(胎児心拍数モニタリング)所見の考え方
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.739
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206713
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今日では,妊娠中の胎児のwell-being(元気でいる)の診断にノンストレス・テストNSTという胎児心拍数モニタリングが非常によく使われています。そして,一般にいわれているリアクティブやノン・リアクティブといった診断基準以外にも,多くの胎児心拍数モニタリング所見の読み方が考えられ,胎児の子宮内での状態が情報として詳しく伝えられるようになりました。こうして,数多くの胎児情報の解析が行なわれるようになり,ひとつ,大きな問題として浮かび上がってきたのが,子宮内での胎児の発育と胎児心拍数所見との関係なのです。
最近では,超音波断層法や羊水分析などの方法で胎児の発育状態を把握し,正確な妊娠週数を診断する手技が非常に進歩してきました。また,出生した新生児の在胎週数を神経学的に診断するDubowitzの診断法などの手技の大切さが強調されているように,胎児・新生児の子宮内での発育に関する診断研究が一段と進歩してきました。このような進歩の過程で,胎児心拍数所見の読み方にも胎児発育・妊娠週数が関与してくるのではないか,ということが考えられるようになったのです。
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