連載 合併症と妊産褥婦
妊婦とカゼ
街風 喜雄
1
1関東逓信病院産婦人科
pp.240-242
発行日 1974年4月25日
Published Date 1974/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204690
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1.カゼというもの
一口にカゼと言ってもその本態は単純ではない。その病因をなすのはほとんどウイルスで,少数が細菌性のもの,アレルギー性のものなどである。そのウイルスでも病源となるものとして,インフルエンザウイルスを始めとし,パラインフルエンザウイルス,RSウイルス,アデノウイルス,ライノウイルス,コクサッキーウイルス,レオウイルスなどがあり,さらにおおむ病,マイコプラスマなどもある。
またそれぞれいろいろな型があり,200種以上もあげられている。そのうち重要なものでも40種ぐらいあるのだから,病状も検査法も,あるいはその免疫についてもいろいろ差があるのは当然であろう。カゼと言われるものでは鼻腔,喉頭,咽頭附近の感染が多く,気管,気管支,肺など下部気道の感染は比較的少なく,全体の1割ぐらいと言われている。
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