特集 分娩時の異常をさぐる
産科緊急症にっいて
畠山 笑子
1
,
枝松 秀子
1
1東北公済病院産婦人科
pp.22-24
発行日 1973年12月25日
Published Date 1973/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204614
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1.はじめに
「産科緊急症」とは,妊娠または分娩によって,急激に全身的な異常を発生する場合を包括していっており,また手術の有無に関係なく,分娩経過中に一時的にでも血圧下降,あるいはショックなどの症状,すなわち全身の異常を起こした場合をいっております。したがってショックやプレショックに近い状態をいっております。
分娩は非常に変動が激しく,また急速に一変して異常の経過をたどることも少なくありません。突発的に大出血をきたし,いわゆる緊急症となる場合もありますが,これは不可抗力のものではなく,ほとんどの場合,予防し得る例が多いと思われます。当然のことながら分娩時の産婦の管理については,常に細心の注意を必要としますが,産科領域における医学の進歩も目ざましい現在,助産婦の任務も増強し,産婦管理上すぐれた能力が要求されております。
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