インターホン
助産婦と結婚問題
田中 秀子
1
1広島赤十字病院
pp.60-61
発行日 1972年9月1日
Published Date 1972/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204410
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25歳はお肌の曲り角などと,とやかく言われる年齢に近づいた自分を見つめると,ふとわびしくなってくる。クラスメート達はほとんど結婚してしまい,すでに子供のある人も多いというのに,自分は未だ独りぼっち。助産婦になるのだという目標をめざして頑張っていた時には,ボーイ・フレンドなど眼中になかったのに……。
その目標も達せられて,あこがれの助産婦として勤務することはや2年。無我夢中でここまできたものの,ふと周囲を見まわすと大部分の人達は結婚して,とても幸福そう。またクラスメートが妊娠して診察に来るのを見ると,今の自分を何となくわびしく思う。産婦人科にあっては,交際のチャンスは全くなく,忙しい業務の中で恋人を見つけるのは容易ではない。お肌の曲り角のように,私の心も結婚に対してのあせりからか,とても不安定である。
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