対症看護講座
耳鼻咽喉科症状
佐藤 恒正
1,2
1東大
2東京警察病院
pp.20-25
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203288
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はじめに
女性の性的現象の耳鼻咽喉科領域におよぼす影響についてよく知られている現象は,鼻出血による代償性月経,または月経時に周期的に増悪する扁桃炎(習慣性アンギナ)などがあり,産婦人科と耳鼻咽喉科とは決して無縁ではない.しかし,妊娠,産褥時に特に多発または増悪する耳鼻咽喉科の疾患はあまり多くなく,その主なものを列挙すると続発性難聴,鼻出血,嗅覚異常など2,3にすぎない.またこれらの発現機序についても十分に明らかにされていないものが多く,総じてこの方面の研究不足が痛感される.
ここでは妊娠の耳鼻咽喉に対するものと,胎児または新生児に対してみられるものに大別し,前者では主としてわれわれがかつて集計した妊娠,産褥に続発する難聴についてのべ,後者では胎児および新生児の聴力について最近進歩しつつある知識についてご紹介したい.
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