Japanese
English
特集 ハイリスク児とリハビリテーション
ハイリスク妊娠
High-risk pregnancy
片山 晃久
1
,
梅原 永能
1
,
左合 治彦
1
Akihisa Katayama
1
,
Nagayoshi Umehara
1
,
Haruhiko Sago
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科
1Division of Obstetrics, Center for Maternal-Fetal, Neonatal and Reproductive Medicine, National Center for Child Health and Development
キーワード:
ハイリスク妊娠
,
ハイリスク分娩
Keyword:
ハイリスク妊娠
,
ハイリスク分娩
pp.1033-1038
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202073
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はじめに
近年,ライフスタイルの変化とともに晩婚化が進み高齢妊娠の割合が増加している.また医療の進歩に伴い生殖補助医療による多胎妊娠の割合は増加し,合併症をもつ女性が妊娠できる機会が増えてきている.このような症例では妊娠に伴うリスクが高くなり,その結果生まれてくる新生児もハイリスクとなる可能性が高くなる.新生児医療の発展はめざましく,早産児の救命率は上昇傾向にあり,特に妊娠28週未満の超早産児でそれは顕著である.
しかし救命率上昇の一方で,早産児や低出生体重児では長期的な神経学的障害を合併する割合が高いことが知られており,低出生体重児のintact survival(後遺症なき生存)と思われたなかにも,高次脳機能障害児が少なくないことがわかってきた.
その原因の1つとして新生児集中治療室(neonatal intensive care unit;NICU)での過剰なストレスによることが脳科学研究から示され,intact survivalを目標にディベロップメンタルケアという概念が導入され,ここ数年で広まりをみせている1).
このような背景から,新生児に関連するリハビリテーションの必要性は今後さらに増していくと考えられる.
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