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編集後記
pp.1092
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109111
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・10月初旬に行われた「大学病院リハ部連絡協議会国立大学部会ワークショップ」は「国立大学の独立行政法人化」がテーマだった.国の直轄でなくなるから予算は自由に使え,企業からの受託研究費や寄付金は直接大学の収入となり,大学運営に自主性・自律性がもたらされる.その代わり運営は自己責任においてしなければならないからコスト・人員削減など経営努力が要求される.いわば大学の企業化であり,大学の浮沈も経営手腕次第,人気のない地方の大学や金にならない基礎研究の分野は冷や飯を食わされ,切り捨てられていく可能性もでてくる.そんな中で国立大学リハ部はどうなるのだろうか?どう対応すればよいのか?ということで白熱した議論.この数日後,宇沢弘文先生が本誌の対談で社に来られた折もこの話が出た.先生の「社会的共通資本」の理論では,教育・医療・福祉などの制度資本は,市場万能主義を排し,社会全体にとって共通の財産として社会的な基準によって管理・利用されなければならない,という.だからこれは極めて馬鹿げた案だ,と言っておられた.
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