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編集後記
pp.906
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108767
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・謹厳実直を絵に描いたように会社と家族にわが身を尽くしてきたお父さんが去年の暮,同僚に無理やり連れられて行った場末のスナックで何の弾みか娘同様の女に入れ揚げ,溺れ,あげくの果てに行方が…….たまには優しいけれど厳しいママの言うままに塾に予備校にとわき目もふらず勉強に明け暮れ,ふと目を上げるとヒトも世間も自然も現実感がなく,手応えがなく,虚ろで,その時なにげなく掴んだバットで…….ご近所にいくらでもいるフツーのお父さん,お母さん,娘,息子達が,何かの弾みからちょっとボタンを掛け違え平衡機能障害に陥りバランスを崩し事件の主役となっていく.長い人生をうまくやっていくのはしんどくて,どこかで破綻を来したりもするものだが,それも長い目でみれば予定調和のうちのちょっとしたさざ波程度のものか,楽観的にいくしかない.各々の人生の収支決算は結構公平にできてるもんなんだよ,と言う人もいることだし.それより最近の政治経済の平衡機能障害に対する良い処方箋を早くなんとかして欲しい.
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