--------------------
編集後記
pp.786
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108459
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
・「風の歌を聴け」という小説があったが,騒音がひどくて風の音を聞くどころか,人と話をするにもつい怒鳴り声になってしまう,不快な音を聞くよりはもっぱら私の世界に浸っていたいとでもいうように電車のなかはイヤホーン愛好者でいっぱい.そのうえ窓外の汚い風景よりはと文庫本に熱中,耳も目もすっかり異次元の世界で世間を拒絶しながらの通勤・通学.こんな生活ばかりしていると,他人との距離,間の取り方が下手になってくる.つまりうまい人間関係がとれなくなってくる.自分の世界と他人の世界をぶつかり合わせる面倒さはわからないでもないが,必要なことであり,そうしながら自分の位置の確認ができるのではないか.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.