特集 理学療法―その客観的評価と作用機序
今月のハイライト
pp.3
発行日 1995年1月10日
Published Date 1995/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107765
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■低反応レベルレーザーの腰痛に対する効果をサイトカインの変化から検討した
低反応レベルレーザー治療を腰痛患者198例に行った自覚症状.(疹痛)に対する即時効果の有効は63.6%であった.基質的変化に乏しい筋筋膜性腰痛症(76例)で73.7%と最も有効で,すでに器質的変化の起こっている腰椎椎間板ヘルニア(45例)では53.5%と劣っていた.腰椎椎間板ヘルニア34例でレーザー照射前後の血中の炎症性サイトカインを検討したIL-1α,IL-1β,IL-6,TNF-α,GM-CSFは照射前高値であったものが照射後1時間で有意に低下した.自律神経の機能検査法である身体表面の細かい運動(microvibration)を2例に検討したところ,照射後θ波の細小化と振幅の低下があった.7例に皮膚温度の変化を調べたところ3例で照射後皮膚温度の上昇2例で低下があった.
レーザーの作用機序として,炎症性サイトカインの抑制を介した消炎作用,交感神経優位の筋緊張の緩和,血管運動神経系を介する作用が推定された.(森須正孝氏ら7頁)
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