入門講座 クリティカルパス・4
実践例・2 脳血管障害のクリティカルパス
河崎 靖範
1
,
槌田 義美
1
,
古閑 博明
2
Kawasaki Yasunori
1
1熊本リハビリテーション病院理学療法科
2熊本リハビリテーション病院リハビリテーション科
pp.555-561
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105600
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.はじめに
リハビリテーション(以下リハ)分野において,整形外科疾患,心筋梗塞については,治療期間を考慮したプログラムが既に報告されている.しかし,脳血管障害(以下CVA)については,機能回復に個人差があるうえ,高次脳機能障害などの合併症や,社会的背景などの問題もあり,期日を考慮したプログラムはほとんど確立されていないのが現状である.
当院の理学療法科では,平成9年4月から,過去5年間のCVA患者のADL,入院期間等を分析し,CVA患者のリハプログラムのマニュアルを作成した.そのマニュアルを1年間運用し,それを基にクリティカルパスへと発展させた.
このクリティカルパスは下肢の運動機能についてBrunnstrom Stage(以下Stage)別に6段階に分類したものである.このパスを平成10年4月から12年2月までの約2年間使用し,その効果と問題点を検討した.本稿ではその検討結果を報告する.
なお,平成12年3月からは,このStageをADLの獲得レベルに応じて7段階に分類したものを作成し使用している.このクリティカルパスについては本文後半で紹介する.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.